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世界バレエフェスティバル *Bプロ* [バレエ*Ballet]

↑ 今回のバレエフェスティバルで配られていたうちわです。
“祭”って…狙ってつけたのですよね、もし狙ってなかったら怖いです(笑)

Aプログラムに引き続き、Bプログラムを観賞してきました。

8月9日(水) 東京文化会館 Bプログラム 18:00開演

■ ディアナとアクティオン ■
ヴィエングセイ・ヴァルデス
ロメル・フロメタ

Aプロのトリで、素晴らしいドン・キで場内を湧かせた二人が、今度はギリシャ神話を題材とした演目で、一番最初に登場しました。
ドン・キでは情熱的で爆発したように踊り、今回は沈黙の中に物語を饒舌に表現した、これもまた素晴らしい演技だったと思います。
ヴァルデスは、“月と狩猟の女神”に相応しく、美しくて力強い姿がキャラに合っていましたが、フロメタは王子様(もしくはディアナによって変えられた牡鹿)というよりも、“ターザン”を思い浮かべてしまいました(^m^)
しかしとても野性味溢れる踊りで素敵でした。ディアナの弓を引くようなポーズも面白かったですね。

■ リーズの結婚 ■
エレーナ・テンチコワ
フィリップ・バランキエヴィッチ

すみません、バランキエヴィッチ君に見とれていて、テンチコワがどんなだったかよく覚えてません(;^^)
レニングラードバレエのシェスタコワちゃんがリーズを演じたら可愛いでしょうね~(*´v`*) 『ジゼル』の村娘姿がよかったので。
この演目の農夫・コーラスは、花柄のベストに黄色いパンツという衣装とか、おきゃんな感じとか、バランキエヴィッチ君をとても魅力的に見せる役柄だと思います…って私の好みということもありますが(笑)
来日公演したロミジュリも、Aプロのオネーギンも良かったけれど、こういうにこやかに踊る彼が好きです。

■ 幻想 “白鳥の湖”のように 第一幕のパ・ド・ドゥ ■
ジョエル・ブーローニュ
アレクサンドル・リアブコ

通常の『白鳥…』のジークフリート王子を、ルートヴィヒ2世に置き換えたという設定自体が、私にとってはもう涙ものです!
以前一度だけ、TVでハンブルグバレエのイリ・ブベニチェクが踊ったのを観てとても感動したのでした。
確かルートヴィヒが自分の幻影に恋してしまうというストーリーだったと思うのですが…。
この第一幕のパ・ド・ドゥは、ルートヴィヒと婚約者ゾフィーとのパ・ド・ドゥでしょうか、婚約したものの、どうしてもゾフィーを愛することができない苦悩が見事に表現されていたと思います。
ヴィスコンティ監督の映画『ルートヴィヒ』が大好きなので、どうしても比べてしまいますが、ワグナーを使っているので絶望的で重苦しい印象の映画よりも、チャイコフスキーのこの演目のほうが優美であると言えるでしょうか。


映画 『ルートヴィヒ』より

■ 海賊 ■
イリーナ・ドヴォロヴェンコ
ホセ・カレーニョ

もちろん、カリスマ・ルジ様のアリには抗いがたい魅力がありますが、ホセさんのアリも好きですね~。
なんというか、卑しさの中に美しさとか官能を感じるのですよね…つまり、私の常套句でございますが、ミケランジェロの『瀕死の奴隷』を観るときと同じです。
もし私がメドゥーラだったら、ルジ様@アリには図らずも平伏してしまいそうですが、ホセさん@アリは、自分の前にひざまずかせたいのです(≧▽≦)

■ “ロミオとジュリエット” より バルコニーのパ・ド・ドゥ ■
マイヤ・マッカテリ
デヴィッド・マッカテリ

待ってました~! 美形兄妹のラブラブなバルコニー! う~ん、背徳の香り… (T~T)え?
ジュリエットの髪を覆うネットが古典的で良かったと思います、でもロミオはマントを持っていなかったので、マントを優雅に翻して立ち去る姿が大好きな私にはちょっと残念でした。
演技はいまひとつ物足りなかったでしょうか…人を感嘆させるって難しいですね。

■ カルメン ■
ガリーナ・ステパネンコ
アンドレイ・メルクーリエフ

大好きなステパネンコですし、いかにもスペインの踊り子風という衣装で、曲はハバネラという分かりやすいものであったものの、私にはあまり面白くなかったです(T_T)ごめんなさい。
今回はAプロのほうが独創的でよかったです。いつもはこういうコテコテなほうが好みなのですが、私をそう感じさせるとはプティって凄い!(←何様発言)
しかし、メルクーリエフのヴァリエーションに『花の歌』を使ったら、こちらのほうがいいと思ったかも!(…え)

■ チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ ■
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー

この演目は『白鳥の湖』で使われなかった曲に、バランシンが独立した作品として振付けたものなのだそうで、物語の一部分でもないし、何かにインスパイアされて作り出されたものでもないようですし、どのように解釈して観賞すればいいのかといつも思ってしまいます…考えすぎですか(笑)
まあ、大好きなコジョカルちゃんが、美しく軽やかに素晴らしいテクニックを見せてくれるということを楽しめばいいのですよね♪

■ “白鳥の湖” より 黒鳥のパ・ド・ドゥ ■
ポリーナ・セミオノワ
フリーデマン・フォーゲル

セミオノワってこういうお顔だったっけ!? と思うほど怖い…(違)、妖艶な姿で登場したので驚きました。
くるみやシンデレラの可憐な少女の印象が強いのですが、悪魔的な表情も上手いのですね~(@。@)
二面性を見事に表現できて素晴らしいダンサーだと思いました。
さすがはマラーホフ王子の秘蔵っ子ですね。

■ 眠れる森の美女 ■
ルシンダ・ダン
マシュー・ローレンス

このパ・ド・ドゥも、黒鳥のパ・ド・ドゥの次に好きです。
黒鳥とドン・キとこれと、“型”が好きなんですよね…結局、プティパが好きなのね(;^^)
マシュー・ローレンスは、私には今回は力を抑えて踊っているように見えましたが…。

■ “椿姫” より 第二幕のパ・ド・ドゥ ■
オレリー・デュポン
マニュエル・ルグリ

Bプロではこの演目が一番良かったです。
とにかくこのふたりの演技は詩情豊かですよね、踊っていると言うよりも、謳い上げるというのか奏でるというのか流れるように美しい…。
オレリーがポワントするのを見て、これがバレエであることに改めて気づかされる状態だったのです。
それにオレリーは、例えばロセッティなどのラファエル前派の絵画から、そのまま抜け出してきたようで、本当に綺麗でした。


ロセッティ画 『レディ・リリス』

ショパンのピアノ曲だけで踊るので、サンドとショパンの語らいを起草させるものでもありました。

■ “ジュエルズ” より “ダイヤモンド” ■
ディアナ・ヴィシニョーワ
ウラジーミル・マラーホフ

ずっと憧れていたジュエルズをAプロではルテステュ&マルティネス、そしてBプロではヴィシニョーワとマラーホフというお気に入りのダンサーで観られるとは、本当に幸せでした(^^)
甲乙付けがたく、とちらも素敵でしたが、強いて言うならルテステュ達のほうが良かったですかね~。
あの研ぎ澄まされた冷たい輝きが、“ダイヤモンド”というイメージに相応しかったと思うのです。
ヴィシニョーワの衣装は真っ白ではなくて、ベージュっぽくて温かみがあったので、イエローダイヤモンドといったところでしょうか。
マラーホフ王子は、無表情で踊るより、感情豊かに踊る演技のほうが魅力的です。

■ 孤独 ■
ジル・ロマン

できることなら、私生活を知るべくお友達になって、一緒にお食事したり映画観たりして語らいたいけれど、世界が違いすぎて話が合わないだろうな~、と思われるジル・ロマン(長)
マイムがコミカルでおどけているように見えることから、道化を表しているのかなと思いました。
ということで、私にとってはヴァトーの絵画の『ピエロ (ジル)』のイメージです。
名前も一緒だし(笑) 道化師は、度々“孤独”のメタファーとして表されることがありますものね。


ヴァトー画 『ピエロ (ジル)』

■ “椿姫” より 第三幕のパ・ド・ドゥ ■
シルヴィ・ギエム
ニコラ・ル・リッシュ

AプロでもBプロでも、いくつもこんなに素晴らしい椿姫を見せられているうちに、それまであまり良さの分からなかった映画やオペラをもう一度観てみたい気分になってきました。
Aプロでの『TWO』では、マニッシュでかっこいいギエムが観れたし、今回は打って変わって愛に苦しむ女性を熱演する彼女が観れて嬉しかったです。

■ ドリーブ組曲 ■
アニエス・ルテステュ
ジョゼ・マルティネス

マルティネスが振付で、ルテステュが衣装デザインした作品だそうで、まさしく自分たちが作り上げたバレエを大舞台で披露できるなんて最高でしょうね~♪
ベロアにミッソーニ風の切り替えと、網目を施した衣装がオシャレでした。
ふたりとも、手足が長くて、そこに居るだけで美しい…言うことなしです(^^)

■ 三人姉妹 ■
タマラ・ロホ
イナキ・ウルレザーガ

クラシックチュチュ以外のロホは初めて見ました。
ドラマティックな悲恋ものは、先に最高峰の2つの“椿姫”を見せられた後でしたので、彼らはちょっと不運だったかもしれません(←遠まわし~)
ウルレザーガの衣装が、床の色と同化しているようだったのも残念ですね(;^^)
しかし、踊りづらいのではないかと思われるような洋服だったのに、それを感じさせない動きで素晴らしかったです。

■ “マノン” より 沼地のパ・ド・ドゥ ■
アレッサンドラ・フェリ
ロバート・テューズリー

“沼地”は盛り上がりますね~、これをトリに持ってきても良かったのではないでしょうか(←遠まわし~・再)
慣例は無視できないかしら…。
テューズリーは、デ・グリューが当たり役なのでしょうか、ロマンティックな正統派で、Aプロのマラーホフのデ・グリューに負けず劣らず涙を誘うドラマティックな演技でした(p_;)
英国ロイヤルバレエで来日して、ジョナサン・コープの代わりに踊ったときの感動がよみがえりました、この時も素晴らしかったです。

■ ドン・キホーテ ■
レティシア・オリヴェイラ
ズデネク・コンヴァリーナ

比べてはいけないかも知れませんが、明らかにAプロの二人のほうが盛り上がったし、テクニックも上でしたよね(;^^)
そもそも、衣装とキトリの扇子の色が曖昧なのも、個人的には良くなかったと思います。
今回のキトリはちょっと奇をてらった仕草を見せてましたが、あまりサマになってなかったですし…。
とにかく、ラテンのキューバペアが素晴らしかったのですよね、そんなふたりに対抗して、例えばステパネンコとウヴァーロフが踊ったらどうだったろうと想像してしまいました。
しかし、今回の組も、カーテンコールでバジルがキトリの扇子をヒョイっと取り上げてしまうなど、お茶目なパフォーマンスで笑わせてくれて楽しかったです(^^) お疲れ様でした。

全ての演技が終わった後の、一同によるカーテンコールで、そうそうたる一流ダンサーたちを見ると、改めて豪華なステージだということに実感が湧いて、身に余る光栄と言うのか喜びに身が震えました。
もう今夜でお別れかと思うと辛かったですけれど…。
大舞台を終えたダンサーたちの、演技中とは違ったナチュラルな笑顔を見ていると、「ブラボー!」というより、「サンキュー!」と声を掛けたくなりました。
AプロBプロ合わせて2日間の夢のようなひとときを、ずっと忘れないでおこうと思います(^^)


世界バレエフェスティバル *Aプロ* [バレエ*Ballet]

8月6日(日) 東京文化会館 Aプログラム 3:00開演

3年に一度行われる世界バレエフェスティバルは、毎回世界各国から一流ダンサーたちが一堂に会し競演する夢の祭典で、今年30周年を迎えた11回目の今回は、24ヵ国から35人の舞踏家が集まりました。
このフェスティバルに出演することがダンサーたちのステイタスとなっているそうで、主催者がオファーを心苦しくもお断りすることも多いとか。
ロシア、フランス、英国を始めとする各国の駐日大使によってプログラムに寄せられた賛辞が、この祭典がいかに大規模で重要なものであるのかを物語っています。

                           ****

■ ラ・ファヴォリータ ■
ルシンダ・ダン
マシュー・ローレンス

オーストラリアの200年祭を祝うために創られたバレエだと言うのもうなずける、明るくて華やかな舞台に、色鮮やかな衣装と典雅な音楽が、“祭典”のオープニングに相応しい作品でした。
パ・ド・ドゥを踊ったのはオーストラリアバレエ団のコンビで、情熱的で力強い、そして安定した演技でした。

■ 7月3日 新しい日、新しい人生 ■ (世界初演)
ニコラ・ル・リッシュ

パリ・オペラ座バレエ団のプルミエであるジェレミー・ベランガールが振付したものを、同団のエトワールのリッシュが踊るということに私としてはとても驚きました。
そういえば、オペラ座のディレクターのルフェーヴル女史がインタビューで、振付に興味のある若手ダンサーを応援していて、“ダンサー振付家公演”なるものがあると言っていましたが…それにしてもこの大舞台で、数々の名振付家の作品と肩を並べることができるなんて、ベランガールはかなり才能があるのでしょうね。
それと同時にオペラ座の革新的で柔軟な体制に驚かされたのは私だけでしょうか。
ということを考えていたので、肝心な演技には半分集中できなかったのですが(;^^)、数ヶ月前に観たジークフリート王子よりも、今回のワイルドなリッシュが素敵でした。
彼はノーブルな王子役よりも、クラヴィーゴとかノートルダムとか、クセのある役のほうが魅力的に思えます。

■ 白雪姫 ■
タマラ・ロホ
イナキ・ウルレザーガ

これも初めて観ましたが、音楽が映画音楽みたいで古典とも違うし不思議な感覚でした。
ロホは相変わらず素晴らしいテクニックで観客を魅了しますね~、クールな中にひたむきさも感じていつも感動してしまいます。
そしてどことなく可愛らしい雰囲気も併せ持っていて大好きなバレリーナです(^^)

■ “椿姫” より 第3幕のパ・ド・ドゥ■
ジョエル・ブーローニュ
アレクサンドル・リアブコ

椿姫の全幕を観たことがないのと、オペラや映画は観たけれど何故かあまりよさが分からないのです(;^^)
又、ブーローニュがリアブコよりかなり年上に見えたこともあって、前半は青年が結ばれることの無い女性に狂おしく恋焦がれるゲーテの『ウェルテル』、そして後半は、青年が恋した人妻を手に入れた後、やがて女性を疎ましく思うようになるコンスタンの『アドルフ』に重ねて観ていました。
黒いシンプルな衣装というのも、豪華なオペラというよりも小説の中に入り込んだような気分になった要因でしょうか。

■ “ロミオとジュリエット” より バルコニーのパ・ド・ドゥ ■
ポリーナ・セミオノワ
フリーデマン・フォーゲル

個人的にロミジュリは、このように若いふたりが踊るものが好きです、そしてロミオはブロンド希望(笑)
赤いマントがアクセントになっていて綺麗でしたね♪
マクミラン版のほうが情熱的なのでしたっけ?
Bプロではそれが観られるので、しっかり見比べてこようと思います。

■ エスメラルダ ■
レティシア・オリヴェイラ
ズデネク・コンヴァリーナ

前回のバレエフェスで、ルテステュとマルティネスが踊り、そのノーブルなカップルが非常に神々しくてすっかり魅了された思い出の演目です。
エスメラルダがタンバリンを手や足で打ち鳴らすのが小気味がよくて楽しいですね。

■ “オネーギン” より 第1幕のパ・ド・ドゥ ■
アリーナ・コジョカル
フィリップ・バランキヴィッチ

コジョカルは、前回コレーラとのパ・ド・ドゥが良かったので、その後マトヴィエンコとのロミジュリを取ったのですが残念ながら降板してしまったのでした。
なので今回舞台に登場した瞬間「やっと会えね!コジョカルちゃん!」と心の中で叫んでしまいました(笑)
小さなコジョカルちゃんと、大きなバランキヴィッチ君とのパ・ド・ドゥは、人妻であるタチヤーナが夢の中でオネーギンと愛を語らうというシチュエーションも相まってとても官能的に感じました。
カーテンコール時に、直立したコジョカルちゃんを、バランキエヴィッチが高々とリフトして登場したところも、身長差のある凸凹コンビぶりを自嘲しているかのようで愉快でした。

■ “ジュエルズ” より ダイヤモンド ■
アニエス・ルテステュ
ジョゼ・マルティネス

この二人はパリオペのゴールデンコンビならぬ“プラチナコンビ”とでも呼びたくなるような上品な輝きを放っていてて息を呑むほど美しいですね(うっとり)
ジュエルズはずっと憧れていたのですが、あまり際立った特色がないというか、印象的な場面が思ったよりなかったので残念でした、ちょっと期待しすぎだったのかも知れません。
ルテステュの凛とした顔立ちに加えて、頭を覆うようなティアラを見ていたら、エジプトのネフェルティティ王妃の頭像とかハトシェプスト女王を思い出しました。なので、『ファラオの娘』などとても似合うのではないでしょうか。

■ “白鳥の湖” より 黒鳥のパ・ド・ドゥ ■
イリーナ・ドヴォロヴェンコ
ホセ・カレーニョ

私が一番好きなパ・ド・ドゥです(^^) まず音楽が好きなんですよね~、それからジークフリート王子がオディールに騙されて惑わされているという設定も好みです(サド目線)
そして白鳥という動物的な仕草も独特で幻想的ですね、その最たるものの『瀕死の白鳥』にはいつも涙してしまいます。
ところで、ホセさん@ジークフリートは、女性に惑わされているというよりも、ロットバルトの一味みたいな悪魔的なムードを醸し出しているようにみえましたから、ガラでオディールを踊ったらさぞかし嵌るのではないでしょうかねえ(笑)

■ 扉は必ず… ■
オレリー・デュポン
マニュエル・ルグリ

舞台に二人の姿が現れたとき、オレリーのロココな衣装にブーシェの絵画を思い浮かべましたが、フラゴナールの『かんぬき』に着想を得て振付されたものだそうです。
絵の人物と全く同じポーズをとったり、女性の黄色いドレス、男性の薄手の衣服、光沢のあるベットシーツに重厚な赤いカーテンまで、『かんぬき』とそっくりでしたので、インスピレーションを受けて創られたというよりも、絵画の中の世界そのままが繰り広げられているようで、私にはとても嬉しかったです。
時間の流れが進むだけでなく、過去へさかのぼっていくようにも見えた作品でした。

■ 眠れる森の美女 ■
マイヤ・マッカテリ
デヴィッド・マッカテリ

彼らはグルジア共和国出身の兄妹(姉弟?)だそうで、とても美しい二人でした。
マイヤの方はエキゾチックな香りのする美女ですので、ラ・バヤデールを踊ったら素敵でしょうね♪
デヴィッドの方は英国ロイヤルバレエに所属しているそうです。
今回初めて観たダンサーの中では一番興味を惹かれた人なので、公演があったら是非行きたいです。
Bプロではラブラブなロミジュリを兄妹で踊るなんて!ワクワクしてしかたがありません(≧▽≦)

■ コンティニウム ■
ルシンダ・ダン
マシュー・ローレンス

衣装や音楽もさして特徴がなくて、踊りもメリハリがあまりなかったので、私にはあまり良さが分かりませんでした…(とほほ)

■ ライモンダ ■
ガリーナ・ステパネンコ
アンドレイ・メルクーリエフ

独特の手を打つ仕草が江戸っ子っぽくて、それをまたステパネンコがやると見事に嵌っていて面白いです(^^)
ウヴァーロフの代わりで踊ったメルクーリエフは見るからに“ロシアのダンサー”という感じで、何故そう感じるのか考えてみたのですが、ヘアスタイルとメイクのせいでしょうかね…上手く説明がつきません。
ヴァリエーションでは音も無くまさしく“舞って”いて素晴らしかったですね、彼は11月にマリンスキーで来日しますので都合が付けば公演に行きたいです。

■ 春の声 ■
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー

これは、振付・演出・音楽が分かりやすくてとても気に入りました。
コボーにリフトされて花びらを撒きながら登場するコジョカルちゃんは“妖精”にピッタリですね(*^^*)
大好きはボッティチェリの『春』を思わせる楽園のような世界で忘れがたい作品となりました。

■ カルメン ■
アレッサンドラ・フェリ
ロバート・テューズリー

カルメンの漆黒のショートへアにレオタード姿が蠱惑的だし新鮮でした。
スペインのというより、アルゼンチンタンゴをみているようでもありました、そのような振付箇所もありましたし。
テューズリーは『マノン』でもそうでしたが、素直で優しそうな雰囲気が女性に翻弄される役があっているなと思います。
カルメンは物語りもドランチックで面白いので、いつか全幕で観てみたいです。

■ TWO ■
シルヴィ・ギエム

普段、コンテンポラリーの良さがあまりよく分からない私ですが、これは良かった!
本当に素晴らしかったです。
TWOというタイトルや、ギエムのみつ編みにした長い髪から、霊との交信を行う巫女やシャーマンをイメージしたように思いました。
例えば円ではなくて、正方形のスポットライトの中で踊るというのも印象的だし、ライトが手足の先に当たるとまるで火がついているようにに見える演出効果が斬新で、マラーホフの『コート』を観たときのような驚きと感動に包まれました…ギエムってカッコイイ… (今頃~~)

■ ベジャールさんとの出会い ■
ジル・ロマン

なんだかとてもミステリアスなので、私生活を知るべくできることならお友達になりたい…だけど話が合わないだろうな~と思われるジル・ロマン(笑) の演技は前回の『アダージェット』が素敵だったので楽しみでした。
竪琴と自分の影が大きく映し出されたステージで踊る演出とか、音楽もポピュラーなものだし分かりやすくて、しかし幻想的で美しい舞台でした。
あるオペラ座のダンサーが「鏡がない時は、自分の影を見ながらレッスンする。」と言っていましたが影もとても美しい…。
きっと彼は自分の体の隅々に加えて、自分の影までも知り尽くしているのであろうと思うと、ナルチズムも感じる演技でした。

■ “マノン” より 沼地のパ・ド・ドゥ ■
ディアナ・ヴィシニョーワ
ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフ王子は久々に見ましたが、相変わらず優美で、哀傷を表現するのが上手いですよね。
今回もまた、喉の奥が熱くなるというのか熱いものがこみ上げてくる素晴らしいパ・ド・ドゥを見せてくれました。
カーテンコール時でさえも、余韻が漂っているのからすると、彼の元々の人柄がたおやかなのだろうと思います。
アクロバティックな技の連続なのに、悲しみを誘う流れるような演技は難しいのではないでしょうか。

■ ドン・キホーテ ■
ヴィエングセイ・ヴァルデス
ロメル・フロメタ

二人はキューバ国立バレエのコンビで、「バレエはロシアやヨーロッパだけのものじゃないのよ!」とでも言っているかのような気迫に満ちた踊りでした。
ヴァルデスはポワントで長い間バランスをとるなどして、会場から割れんばかりの拍手を浴びていましたね。
毎回必ず踊られてきた演目ですし、名ダンサーが数々の伝説を残してきたことを考えると、きっとかなりのプレッシャーもあったことでしょう。
しかしそれを感じさせない、自信と力強さにあふれた素晴らしい演技だったと思います。
会場全体が、そして私も大役を終えた二人に、心からの拍手を贈りました(^^)


パリ・オペラ座バレエ 『パキータ』 [バレエ*Ballet]

4/29 (土・祝) 1:30開演 東京文化会館

*振付* ピエール・ラコット(マジリエ版、プティパ版をモティーフとする)
*音楽* エドゥアール・マリ・エルネスト・デルヴェス、ルートヴィヒ・ミンクス
*装置・衣装* ルイザ・スピナテッリ
*出演* パキータ: ドロテ・ジルベール
     リュシアン: ジェレミー・ベランガール
     イニゴ: カール・パケット

2004年に行われた『ルグリと輝ける仲間たち』で、前途洋洋たるオーラが眩しくて、まさに“輝ける”ダンサーだったマチュー・ガニオ。 当時は確か異例の飛び級でエトワールに昇進したばかりでした。
その彼が今回パキータに主演するということなので、ルグリとオレリーの最高のコンビの公演を諦めてまで彼の公演を選んだというのに、ケガで降板してしまいました(涙)
しかし、今回ルグリもご家庭の事情により、突然降板してしまった公演があったそうですから、その日のお客様の心情を考えると、まだいいほうなのかも知れません。
…ということで(?) パリオペさん、来年も来日して下さいm(_ _)m

■第1幕・第1場■ ナポレオン統治下のスペイン、サラゴサ近郊のトゥロー渓谷。
フランスの将軍・デルヴィイー伯爵は、この地で妻子共々暗殺された兄・シャルルの為に、自ら建てた記念碑を、息子のリュシアンと婚約者、そして知事のドン・ロペスと共に訪れました。
やがて、記念碑設立を祝う村祭りが始まり、ジプシーたちが陽気な音楽を奏で踊りを披露します。
ジプシーの娘・パキータに魅了されたリュシアンは、彼女に自分と一緒に来るよう言いますが、身分の違いを気にしてパキータはこれ拒否。
以前からパキータに想いをよせていたジプシーのリーダーであるイニゴは、この様子を見て嫉妬に狂い、従順そうに見えて実は将軍を憎んでいるドン・ロペスと共謀して、リュシアンを殺害する計画をたてるのでした。

                                 ****

今回も事前にルテステュとジョゼ・マルティネスのパキータのDVDを鑑賞してから観に行きました。
190㎝以上もある長身でスレンダーなジョゼ@リュシアンを観た後だったので、今回代役のジェレミー・ベランガールが非常に小さく感じて、物足りない気分でした。
けれども若々しさと弾むような踊りが情熱的で、徐々に惹き込まれていきます。
彼は、今最もエトワールに近いプルミエと言われているそうですから、技術的にも申し分ないのでしょう。
今回の代役が彼にとってのチャンスと思って、精一杯踊っているのであろうと思うと応援せずにはいられませんでした。
ドロテ・ジルベールは小柄でキュートな半面、黒髪とくっきりとした顔立ちがジプシー娘にピッタリ。
DVDでのルテステュのパキータは、ブロンドでどこかたおやかで、イメージするスペイン娘とは違うけれど、実はフランス将軍の娘だったという設定を考えると、ジプシーたちの中で異質であってもそれは正当なのですよね…とパンフの記事を読んで気がつきました(笑)
イニゴ役のカール・パケットの高慢なキャラもよかったです~、あの毒気のある美しい表情…。
ノーブルな王子役もどんなものか見てみたいですが、これからもクセのある演技を見せてほしいです。
そしてそして、待ってました、ティボー君! のパ・ド・トロワ!
伸びやかでやわらかい踊り、なんて素敵なの~~(クラクラ)
…人を感動させるダンサーとか踊りとはどういうものなのだろう…と少し考えてみました。
優れた技術は勿論のこと、その人独特のムードとか個性が大切でしょうか…ティボー君は完璧なハンサムではないと思うのだけれど、とにかく愛嬌があるのですよね。
加えて古代ギリシア風のというのか、不思議~な魅力があります。

(第2場) 舞台はジプシーたちの住まい。 イニゴとドン・ロペスが、リュシアン殺害について打ち合わせをしているのを、パキータは物陰から聞いていました。
そこへリュシアンが登場。 何も知らないリュシアンでしたが、パキータの気転によって難を逃れたのでした。

                              ****

この場はあまり踊りが無く、ほとんどマイムで物語が進行してゆくので、演技力が試される時ですね。
テンポのよい掛け合いのタイミングがとても難しそうです。
パキータの扇子を持ったキレのある踊りもかっこよかったですし、イニゴの酔っ払いながら何度もリュシアンを刺そうとするけれど倒れてしまうという演技も絶妙でした。

間奏の部分、ホルンがやたらと音を外してちょっと驚きました。
昔、少し楽器をやっていたので、ホルンは音程を取ったり保ったりするのが難しいというのは分るのですが、ちょっと外しすぎ…(;^^) でも、つまったような音がしていましたから、もしかしたら楽器自体にトラブルがおこったのかもしれないですね。 ドンマイドンマイ(←偉そーだ)

■第2幕■ 華やかな舞踏会が催されているデルヴィイー伯の邸宅。
そこへリュシアンとパキータがやって来て、ドン・ロペスによる殺害計画を暴露し、パキータによって自分は救われたと伯爵に訴えました。
これによってドン・ロペスは捕らえられ、リュシアンはパキータに求婚しますが、やはりパキータは身分の違いを気にして戸惑います。
しかし、部屋に飾られていたシャルル・デルヴィイーの肖像画と、パキータが幼い頃から身につけているペンダントの肖像が同一であることが判明、つまりパキータはシャルル・デルヴィーの娘であったのです。
自分の出生を知ったパキータは、リュシアンの求婚を受け入れふたりは結ばれました。

                             ****

スフィンクスの様な、架空の動物らしきものを据えた大階段が迫力がありました。
又、御簾のようなものの向こうに人物を配しているのも、うるさくなりすぎずに適当に賑やかでいいですね、さすがはオペラ座、粋だな~と思いました。
この幕ではDVDでは、子供たちのマズルカがあって、その微笑ましい姿に将来のエトワールの姿を思い描くのも楽しいのですが、今回は男性のみのコールドでした。
えんじとブルーの2種類の衣装を纏った将校たちが、入れ替わり立ち替わりするのが壮観!
また、女性コールドのセーブル磁器もしくはゴブラン織りを思い起こさせるような衣装も鮮やかで素晴らしい。
パキータが白いクラシック・チュチュに着替えてからのパ・ド・ドゥだったか、ふたりの息がちょっと合わずにハラハラした箇所がありましたが、感動的な舞台に大満足でした。

カーテンコールにピエール・ラコットさんが出ていましたね。
振付家が登場するなんて、私は初めて見ましたが、よくあることなのでしょうか。
もしかしたら、マチュー降板の代わりを見事に務めたジェレミーの功労を称える意味もあったのかなと私は思いました(^^)
この公演後、ルグリの代役も務めたそうですから、ご苦労様!と心からねぎらいの言葉をかけてあげたいですね。

ところで、会場で売っていたので迷わず購入したのが『パリ・オペラ座バレエと街歩き』という文庫本。

マチュ~! (^ε^*)chu~ (←一度言ってみたかった)
まだ詳しくは読んでいませんが、ルグリをはじめとするダンサー10人へのインタビュー、オペラ座階級のシステム、その他サロン・ド・テの紹介と地図なども載っているので、ガイドブックとしても使えそうです。
そして、ダンサーたちのとても貴重な私服姿の写真がいくつも載っていて嬉しい!
特にマチューとエルヴェ・モローなどは、オシャレでスタイル抜群…自分を美しくみせるポーズも心得ているのか自然とそうなるのか…とにかく踊っていなくてもとても魅力的です(*^^*)


パリ・オペラ座バレエ 『白鳥の湖』 [バレエ*Ballet]

4/21 (金) 18:30開演 東京文化会館
*振付* ルドルフ・ヌレエフ (プティパ、イワーノフに基づく)
*音楽* ピョートル・チャイコフスキー
*舞台美術* エツィオ・フリジェリオ
*衣装* フランカ・スクァルチャピーノ
*出演* オデット/オディール: アニエス・ルテステュ
      ジークフリート王子: ニコラ・ル・リッシュ
      家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト: ウィルフリード・ロモリ

数年前からずっと憧れていたパリ・オペラ座バレエ公演を初めて観ることができました。
ちょっと遅くなってしまいましたが、この感動を忘れないでおきたいので感想を書いておこうと思います。

公演前に、オペラ座の『白鳥の湖』(ブルメイステル版)のビデオと、数年前に録画したニコラのドキュメンタリー番組を観ておきました。
ニコラのドキュメンタリーは9年前に作成されたもので、彼は当時20代半ば。
21歳という若さでオペラ座の最高位ダンサーエトワール”に任命された彼は、マウリス・プティパに「背が高いいたずら小僧、スペクタクルな動き、羽ばたく時を待つ初々しさ。」と形容されるとおりの魅力的なダンサーで、更にはヌレエフに自作振り付けの『ロミオとジュリエット』を踊るよう勧められるなど、まさしくオペラ座の星(エトワール)です。
番組では、彼の自宅やバックステージ、そしてレッスン風景を存分に見ることが出来ました。
厳しいレッスンに励むストイックな姿がとにかくセクシーです!
ダンサーは、本番ではそんな血のにじむような努力を微塵も感じさせない演技を見せることが重要だと聞いたけれど、たまには彼らの裏舞台での姿を思いながら鑑賞するのもいいですよね。

■第1幕■ 宮廷ではジークフリート王子の誕生日を祝う宴が行われており、母である女王は翌日の舞踏会にて花嫁を選ぶようにと王子に告げました。
しかし、理想の愛を夢見る王子はその言葉に耳を傾けようとしません…。

前夜に見たニコラの9年前の姿が瞳に焼きついていたので、ちょっと老けたな~という印象(;^^)
しかし、それだけ演技に円熟味が増しているということだし、あれから9年間、多分ケガをしている時を除いて毎日厳しいレッスンにあけくれていたのだろうと思うと、そんな努力の結晶を間近で観ることができる恐れ多さと幸せを感じました。
最初は動きが硬くてハラハラしました、事前にケガをしていたという情報もありましたし…。
インタビューで「舞台に上がると、いつも観客に包囲されている気分になって緊張する。」と言っていたのですが、あれから数年たってもやはり毎回気持ちは変わらないのでしょうか。
そうこう考えているうちに、パ・ド・トロワを踊ったエマニュエル・ティボーの優美な踊りにおのずと引き込まれていきました。
あの巻き毛といい、大きな瞳といい、古代ギリシアの壺絵から抜け出してきたような容姿でとてもチャーミング♪
踊り終えると大喝采を浴びていました。
彼はまだプルミエ・ダンスールだけれど、いつかきっとエトワールに登り詰めることでしょう。

■第2幕■ 物思いにふけっていた王子は、湖畔でロットバルトによって白鳥の姿に変えられた姫・オデットに出会いました。
彼女にかけられた呪いを解き、元の姿に戻すには男性からの愛の誓いを受けることだと知った王子は、彼女に永遠の愛を誓うと約束します。

ぼんやりと霧がかったような風景のセットで、まるで例えばターナーの描く絵画の中で踊っているようでした。
また、今回は2階正面の席だったのですが、コールドバレエを堪能するにはうってつけの席だと思いました。
さすがはコールドに定評のあるオペラ座ですね、フォーメーションもとにかく美しかったです。
…ということで、主役のふたりの印象があまりありません(;^^)

■第3幕■ 舞踏会が行われている宮廷へ、ロットバルトはオデットそっくりに変えた自分の娘のオディールを伴ってやってきました。
王子はこれをオデットと勘違いし、遂には結婚を申し込んでしまいます。

私は黒鳥のパ・ド・ドゥ大好きなので、この幕を一番楽しみにしていました。
オディール役のルテステュは、凛とした美しさが素敵で、32回転のフェッテ中、その真剣な眼差しに涙が出そうになるくらいかっこよくて素晴らしかったです!
それから、家庭教師とジークフリート王子のパ・ド・ドゥは、同性愛を匂わせるようで妖しかったですね~。
ニコラ@王子がメロメロになってしまっている情けない姿がセクシーでした。
このシーンについての解釈を、ヌレエフは一切していないということだそうですので、ダンサーたちの思うとおりに演技をすることができるのでしょう。
ぜひともここは官能的にとこれからも意識して踊り継いでいってほしいものです。

■第4幕■ 誓いを破ってしまった王子にはもうオデットを助けることができません。
過ちを悔いて許しを請うのでしたが、なすすべもなく、オデットはロットバルトに連れ去られ永遠に引き離されてしまったのでした。

ブルメイステル版では最後にオデットと王子は結ばれるのですが、今回のヌレエフ版では上記のとおりの悲劇で終わりました。
チャイコフスキーのあの物悲しい曲にはやはり悲劇で終わるほうがあっている気がします。
ハッピーエンドということもあって祝祭的な印象のブルメイステルに対して、ヌレエフ版はとてもロマンティックでした。
同じ曲と演目でも、振り付けと解釈によって印象が大きく変わって面白いですね。

白鳥の湖

白鳥の湖

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/12
  • メディア: DVD

ブルメイステル版は、衣装も派手で毒々しく、家庭教師の代わりに道化師が出てきて、エキセントリックなムード満載です。
発売されているDVDはピエトラガラとパトリック・デュポンのコンビですので、これくらいインパクトが強いほうがいいのでしょう。
セットも宮廷の場面はモダンな建物で、シンプルな中にも堂々たる華やかさがあり、湖畔の場面は大きな満月かかる抽象的な美しさで、とても洒落ていると思いました。


シュツットガルトバレエ 『ロミオとジュリエット』 全3幕 [バレエ*Ballet]

11/12 (土) 18:30開演 東京文化会館

*振付*     ジョン・クランコ
*音楽*     セルゲイ・プロコフィエフ
*装置・衣裳* ユルゲン・ローズ
*出演*     ジュリエット: スー・ジン・カン
          ロミオ   : フィリップ・バランキエヴィッチ
          ティボルト : イヴァン・ジル・オルテガ
          マキューシオ: エリック・ゴーティエ
          ベンヴォーリオ: マリジン・ラドメイカー

*あらすじ*
14世紀イタリアヴェローナ
反目するモンタギュー家とキャピュレット家、街中では両家の若者たちの諍いが絶えません。
ある日、キャピュレット家の舞踏会に忍び込んだモンタギュー家の息子・ロミオは、
キャピュレット家の娘・ジュリエットに出会い、ふたりは恋に堕ち、密かに結婚します。
その後、街中でロミオの友人・マキューシオが、キャピュレット家のティボルトに殺されたことに
逆上し、ロミオはティボルトを殺害してしまいました。
ロミオはヴェローナを追放され、悲しむジュリエットはロレンス神父に助けを求めます。
ロレンスは彼らを助けるため、ジュリエットに仮死状態になる秘薬を渡します。
薬を飲んだジュリエットを死んだと勘違いした家族たちは、彼女を埋葬。
計画を知らされていなかったロミオは、彼女が本当に死んだと思い込み、
彼女の傍らで自ら命を絶ってしまいます。
やがて目覚めたジュリエットは事態を悲しみ、彼女もまたロミオの後を追ったのでした。

                          ****

 数年前の世界バレエフェスティバルでの『リーズの結婚』を観て以来、ずっと会いたかったフィリップ・バランキエヴィッチ…やっと会えて嬉しかったわ~、嬉しかったのですが…(;^◇^)

■第一幕■ 舞台はイタリアのヴェローナなのですが、フェルメールの描く人物や風景画のようで素朴な雰囲気でした。
『オネーギン』でもそうですが、舞台装飾と衣裳が全幕通してとても素敵だったと思います。
全ての場面が奥行きが感じられるセットで、舞台が広々としているように見えました。
ここの第一場、市場でロミオとマキューシオ、ベンヴォーリオが三人揃って踊るところが、息も合っていてとっても楽しそう♪
特にベンヴォーリオが良かったです、あの輝くブロンド (*▽*)
個人的にはロミオは長めで揺れる髪がいいわ~。
彼は今はまだ準ソリストだそうで、早くプリンシパルに昇格して今度はロミオとして来日して欲しいです。

第四場のキャピュレット家の舞踏会場、ここで流れる音楽が大好きなんです♪
なにやら不穏な空気が流れていそうで…そんな中、最前列で踊るイヴァン@ティボルトも、思いっきり悪者ぽくてイイ感じでした。
パリ・オペラ座公演(TV鑑賞)の、シャルル・ジュドのティボルトも妖しくてよかったなぁ、主役の二人よりも印象に残っています。

第五場のバルコニーでのシーンでは、どうしてもバルコニーというよりは“橋”に見えて仕方がありませんでした(笑)
でも、広々としているので観やすかったです。
最後、ロミオが走り去る時に、「はあ~」っと大きくため息をつきました。 う~ん、セクシー(≧▽≦)

■第二幕■ 市場でのカーニバルで、道化たちがアクロバティックな踊りを繰り広げます。
そういえば、スペイン風の踊り子さんたちも、素晴らしい軽業を披露していました。
写真で観るとても派手な衣裳も、舞台に溶け込んでいてあまり浮いていないところがいいですね、こういうところにセンスを感じます。

修道院の場面、のどかな田園風景はイタリアのアッシジを思い浮かべました。
もしかしたらユルゲンさんもそれを意図して作ったのかも!?

■第三幕■ ジュリエットの寝室でのパ・ド・ドゥ。 大きく開いたドーム型の窓がいいですね~。
…そして最後は、キャピュレット家の地下墓所のシーンへと移り、完結です。

実は、あまり熱狂できませんでした、こみ上げてくるものもなかったですし…。
これは個人的に期待しすぎたせいかしら、と思いましたが違うと思います。
同じように感じられた人も多かったのではないでしょうか。
技術的には最高というか、問題はないのでしょう、丁寧にきちんと踊っていたと思います。
でもそれが面白味が無かったのではないかと思うのです。
例えば、私が大感動したマトヴィエンコとシオマーラ・レイエスとの新国立劇場の公演では、シオマーラは元気なあまり、スッテンコロリンと転んでしまうほどだし、マトヴィも、止められないのでは!?と思うほどの勢いのあるダイナミイクな踊りで、また、ジュリエットの手紙を受け取った時、嬉しさのあまり乳母にキスするところも、チュッ♪と大きな音を立てて、会場の笑いを誘う実にチャーミングなロミオでした。
上手く言えないけれどつまり、演技の部分で喜びと悲しみのメリハリがいまひとつだったと思うのです。

もしかしたら、そんな会場の雰囲気をバランキエヴィッチ君は感じたかもしれません、カーテンコール時にちょっと表情が曇っていたように見えました、スー・ジン・カンのほうはそれほどでもないようにみえましたが(;^^)
でも、悲しい思いをすることは決して悪いことではないし、これからのキャリアにきっと役立つことでしょう。
私と同じく『リーズの結婚』で彼を魅力的だと思った人は沢山いるようです、だから彼には、もっと感動できるバレエをみせることが絶対出来るはずなのです。
だから、今は恋人や家族にたっぷり癒してもらって、また頑張って欲しいです。
…って、落ち込んでると勝手に思い込んでいますが(笑)
とにかくこれからも陰ながら応援しています(^▽^)v

↓映画『ロミオとジュリエット』。 オリビア・ハッセーの可愛らしさにビックリ。
今度彼女の最新作『マザー・テレサ』が公開されますね。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2005/10/21
  • メディア: DVD


シュツットガルトバレエ 『オネーギン』 全3幕 [バレエ*Ballet]

11/8 (火) 18:30開演 東京文化会館

*振付* ジョン・クランコ
*音楽* ピョートル・I ・チャイコフスキー
*出演* オネーギン: マニュエル・ルグリ(ゲスト・アーチスト)
     タチヤーナ:  マリア・アイシュヴァルト
     レンスキー:  ミハイル・カニスキン
     オリガ:     エレーナ・テンチコワ
  グレーミン公爵:   イヴァン・ジル・オルテガ 

*カンタンあらすじ*
ロシアの田舎に住むタチヤーナは、ロマンチックな夢みる少女。
ある日、姉・オリガの婚約者で詩人のレンスキーの友達であるオネーギンが、
サンクトペテルブルグからやってきます。
彼は都会での暮らしに飽きたので、田舎に気晴らしに来たのでした。
タチヤーナは都会的で洗練された物腰の彼に恋をし、恋文を書いて渡しますが、
それはオネーギンをイラつかせるだけであり、無下に破り捨てられてしまいました。
数年後、舞踏会でオネーギンとタチヤーナは再会します。
美しく洗練された女性に成長したタチヤーナに、オネーギンは惹かれるのですが、
彼女は既にグレーミン公爵の妻となっていました。
それでも諦めきれないオネーギンは、彼女に愛の告白をしますが、
拒絶されてしまいます。

                               ****

マニュエル・ルグリが“ドラマチックバレエ”と称しているように、さぞかし感情を表現するのが難しいであろう、激情型の演目で、彼が「10年前であれば、おそらく私はこのタイトルロールを踊るにはふさわしくなかっただろう。」と言っていた言葉に納得できるような舞台でした。

ルグリは本当に美しい人です。
登場した瞬間から、凛とした気品が漂って、燕尾服の黒い装いがまさに黒い宝石、例えばオニキスのような大人にしか似合わない輝きを放っていました。
踊りも相変わらず端整で、アクロバティックなリフトもそつなく美しく決めます。
優雅なダンスからは微塵も感じられないけれど、その裏で長い年月をかけてどれほど練習を積み重ねてきたのかを考えると、ここでも原石から時間をかけて磨かれてできる宝石に例えたくなってしまいます。

第一幕、ここの第二場、タチヤーナの寝室で、彼女とオネーギンの幻影とのパ・ド・ドゥが最高によかったです!
大きな鏡の中からオネーギンが忽然と現れて、二人は情熱的で官能的に踊るのでした。
タチヤーナは喜びに満ちているけれど、オネーギンは彼女を惑わす邪悪な悪魔♪
パンフの写真には、イヴァン・ジル・オルテガがオネーギン役で写っているのですが、彼は背がとても高くて力強くて素敵です!
今回の公演では、彼はグレーミン公爵役ですが、次は彼のオネーギンも観てみたいわ~(*^^*)

第二幕、タチヤーナから貰った恋文にイラついている様子で、嫌~な感じの高慢ちきなルグリ@オネーギンでした。
更には遊びごころで、親友であるレンスキーの婚約者・オリガと踊るところなど憎たらしいですが、魅力には抗えない感じ。
その後、怒ったレンスキーからの申し出の決闘で、彼を死なせてしまった後の演技は、親友を殺してしまったにしてはあっさりしていて、私には少し物足りないように思えました。

第三幕、田舎貴族のパーティとはガラリと変わって、都会の貴族たちの高貴な舞踏会に目を見張りました(@。@)
全幕とも舞台装飾が繊細でとても素晴らしかったと思います。
エフゲーニー・オネーギンの“EO”のエンブレムの前で踊るところとかも格調高い雰囲気でした。
しかし、タチヤーナの衣装が洗練された都会的なものには見えなかったです(;^^)
レイフ・ファインズとリヴ・タイラー主演の映画『オネーギンの恋文』での、この場面でのタチヤーナの真っ赤なドレスが強烈に印象に残っているからかもしれません。
最後は、オネーギンが醜くしつこくタチヤーナに言い寄るわけですが、なりふり構わずという態度をあの高貴なルグリ様が(!)見事に演じていて、思わず涙ぐんでしまいました(;_;)

カーテンコールはもっとしてもいいのではないかしらと思いましたが、皆さん、出待ちをされたり電車の時間もあるでしょうから仕方がないですね。

『オネーギン』を踊ることが夢だった、というルグリの嬉しそうな笑顔がとても印象的で、こちらまで嬉しい気持ちになりました(^v^)
世界的なダンサーである彼でも、いつまでも夢を持ち続けているというのが素晴らしいですね。
…そんな素敵な余韻にいまだ浸りつつ…
今日は、数年前の世界バレエフェスティバルで見て以来、ずっと会いたかったフィリップ・バランキエヴィッチの『ロミオとジュリエット』を観てきます♪

↓こちらはレイフ・ファインズがオネーギン役の映画『オネーギンの恋文』。
監督は彼の実妹のマーサ・ファインズ。

今夜 深夜0:40~ BS・2で放送されます。

オネーギンの恋文

オネーギンの恋文

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: DVD


英国ロイヤル・バレエ 『マノン』 全3幕 [バレエ*Ballet]

*演出・振付* ケネス・マクミラン
*音楽* ジュール・マスネ
*出演* マノン: タマラ・ロホ
     デ・グリュー: ロバート・テューズリー
*カンタンなあらすじ* ある日、美しい娘マノンと若き学生のデ・グリューは出会い、恋に落ちます。しかし、マノンを見初めたお金持ちのムッシュGMが、マノンの兄と共にやって来て、お金でマノンを誘惑し連れて行ってしまいました。
しかし、愛し合うマノンとデ・グリュー。裏切りに怒ったGMは、マノンを売春の罪で告発し、マノンは逮捕されてしまいます。
更に監獄内で今度は看守に言い寄られ、そこへデ・グリューが登場し、看守を刺殺してしまいます。
ふたりは沼地へ逃れてきましたが、やがてマノンはデ・グリューの腕の中で息を引き取りました。

                            ***

『マノン』の全幕を観るのは今回が初めてで、又、マチネに行くのも初めてでした。
当初、デ・グリュー役はジョナサン・コープでしたが、病気のためロバート・テューズリーに変更となりました。
“永遠の少年の風情を持つ”のだというコープを見てみたかったですが、テューズリーも小悪魔的なマノンに夢中になる一途で純粋な青年役にピッタリだったと思います。
例えば、マット・デイモン君みたいな…(注:ミカエラ的観点です(;^^))

怪我や病気で主役が変更になることはよくあることで、だいぶ慣れてきましたが、過去私が最もショックだったのは、キーロフバレエの『白鳥の湖』でルジマートフが降板し、ゼレンスキーに変更になったのですが、彼もまた体調不良で交代となった公演でした。
その点、マラーホフの公演に関しては交代になった経験は無く、又、これだけ多く日本で公演を行っているのに、そういうお話も聞いたことがないので凄いと思います。
しかし最近はどうもお疲れの様子だとか。
ダンサーとしての他に芸術監督のお仕事もあるので大変なのでしょう。
無理せずお体を大切に、少しでも長く私たちに優美なバレエを見せて欲しいですね(^^)

話はマノンに戻りますが、白のバレエ、赤のバレエという言葉を耳にしますが、だとしたらマノンは“黄金のバレエ”でしょうか。
とにかくたそがれ時のような色が常に舞台を覆っており、その中で、デ・グリューの白いブラウスが優しく浮かび上がっているのがとても美しかったです。

“寝室のパ・ド・ドゥ”でのふたりは本当にラブラブ♪ 
パ・ド・ドゥが終わった後もふたりはキスしていましたが、いつもああなのかしら?
なんだか、テューズリーがタマラ@マノンにメロメロ♪ といった印象でした(≧▽≦)

マノン役のタマラ・ロホは、以前ガラ公演でドン・キホーテのパ・ド・ドゥを観たときも思いましたが、凛として静謐な美しさが素敵ですね。
小柄なためか私にはとても親近感が持てました。
技術的なことはよく分からないのですが、とてもバランスがいいですね、そしてピルエットも少しもぶれずにとても素晴らしい!…と近くのお席の方が仰ってました(笑)

急に代役にと依頼されたのであろうテューズリーには、これを機にチャンスを摑んで更に活躍して欲しいです。
そして見事に感動的なバレエをみせてくれたことに、心から拍手を贈りたいと思います(*^▽^*)
      


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