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映画 『黒衣の花嫁』 [映画 か行 *Movie]


*監督* フランソワ・トリュフォー
*原作* コーネル・ウールリッチ
*脚本* フランソワ・トリュフォー、ジャン=ルイ・リシャール
*撮影* ラウール・クタール
*衣装* ピエール・カルダン
*音楽* バーナード・ハーマン
*出演* ジャンヌ・モロー as ジュリー
      ジャン=クロード・ブリアリ
      ミシェル・ブーケ 他
1968年 フランス

*あらすじ*
結婚式当日に、最愛の男性を殺害されたジュリーは、
5人の犯人たちに巧妙に近づき、次々と復讐を遂げていくのでした。
衣装はジャンヌ・モローの恋人であったピエール・カルダン、
音楽はトリュフォー自身がファンであったヒッチコックの作品を多く手がけた
ことで知られるバーナード・ハーマン。
                     ****

ヒッチコックを敬愛していたというトリュフォーのサスペンスドラマ。
早い段階で、主人公の殺人の動機やこれからの展開があらかじめ掴めるので、
後はどのような手段を用いて復讐を遂げていくのかを追っていけばいいということで、
とても分かり易く、理路整然としていて良い映画でした。

しかし、主人公ジュリーの夫が何故殺されなければならなかったのか、という事情に関しては、
すぐには明かされず、しかもその事情にはあきれるばかり(;^^)
ちょっと間抜けというか、拍子抜けしてしまいます。

とにかくジャンヌ・モローの、冷たい仮面の下に怨念を隠し、
冷徹に“仕事”を遂げていく姿は恐ろしく、
しかしあの小柄な体つきのせいか、なんだか けなげでもあるんですよね(;。;)
また、思わぬところで自分の殺人の濡れ衣を着せられた女性を救おうとする場面とか、
復讐のターゲットの人物に思いを寄せられて幾分戸惑いをみせるところなどもあって、
ジュリーは人間的な感情を完全に失った殺人鬼と化しているわけではないので、
なんとか復讐を完遂させてあげたいと思ってしまうのでした。

復讐の最中、犯人の一人が描いたジュリーとそっくりの肖像画が出てくるのですが、
これがとても良く似ていて非常に美しい!

肖像画が出てくる映画で忘れ難いのは、やはりヘルムート・バーガーさま主演の
『ドリアン・グレイ/美しき肖像』ですね~(←案の定)
あの狂気の眼差しを向ける肖像画には、鬼気迫るものがありました。

              ・:*:.。☆。.:*:・:*:.。★。.:*:
  ところで、今日はヘルムートさまのお誕生日ですね、おめでとうございます。
これからも、愛し愛される方が常に傍にいらっしゃる、幸せな毎日をすごされますように。
心からお祈り申し上げます。
               ・:*:.。☆。.:*:・:*:.。★。.:*:

お話戻りまして…
そしてこの今回の絵もそれに負けず劣らず素晴らしいのですが、
架空の人物を描いたらしいということで、内に秘めた情念なんかは感じなかったですね。
ポール・デルヴォーの描いた様式化された理想化された女性と一緒ですね。

肖像画に比べて実際のジュリーの方は年齢を感じられて、
映画鑑賞中は違和感を感じたものですが、今、よくよく考えますと、
これは意図的に時の流れを暗示したものなのではないのでしょうか。
そうするといかに長い時間をかけて、復讐のために準備を整えてきたか、
犯人たちに対して恨みを抱き続けてきたか、という苦労と苦悩が感じられますよね。
邦題の“花嫁”という初々しい女性を連想させる言葉と対峙して、
憐れさを増長していると思えるので、
とても初々しいとは言えない、年齢を感じるモローを起用したことに、
眉をひそめる方もあるようですけれど、私としては素晴らしいと感心しました。
まあ、原作を読んではいませんし、原作に忠実でなくともよいとして作った場合ですが。

しかしひとつだけ…
ジュリーの衣装を、全て黒一色で統一してみせたらもっとよかったと思います。
ところどころで、犯人たちに「君はいつも黒いドレスを着ているね。」なんて指摘されて、
一瞬、狼狽してしまうとか、または押し殺してしていたつもりの怒りがふつふつと湧き上がり、
危うくそれを露にしてしまいそうになるとか。。。
私だったらそんな場面を加えてみたかったですね~。
いつまでもかたくなに喪服を纏っている姿に、憐憫の情がさらに沸いて涙を誘いますよね(p_;)
タイトルも“黒衣”の花嫁(La Mariee Etait En Noir)なのですから、徹底してもよかったのではないでしょうか。


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kurohani

トリュフォーの「黒衣の花嫁」面白そうですね♪記事一番上左のDVDのカヴァー(?)の絵も素敵です。しかし劇中ジャンヌ・モローは真っ黒づくめの服なんだと思ってました。
by kurohani (2007-05-29 22:24) 

ミカエラ

■kurohaniさん、こんにちは(^^)
作品の創作でお忙しいことでしょうに、
コメント下さってありがとうございます~(感謝!)

トリュフォーの映画は10本ほど観たことがあるのですが、
中でも一番面白いと思いました。
現在はビデオも廃盤のようで残念ですね。。。

>>記事一番上左のDVDのカヴァー(?)の絵も素敵です。
↑私も一目観てとても気に入ってしまいました!
闊達で大胆なタッチがかっこいいですよね~、熟練した技を感じます。

>>ジャンヌ・モローは真っ黒づくめの服なんだと思ってました
↑白い洋服を着ている時もあって…モノトーンでまとめてはいますけれど、
黒一色にこだわっても良かったんじゃないかなという気がしました。
しかし、ソワレにマントを羽織った着こなしなど、
素敵なファッションは見ものでしたよ~♪
by ミカエラ (2007-05-30 16:16) 

豆酢

この作品大好きです。ジャンヌ・モローの代表作のひとつですよね。復讐に人生を捧げる女の哀れもさることながら、仇との関わり方も興味深いものでした。その辺りの人間ドラマ部分も、さすがフランス映画だけあってなかなか面白い。

ところで、昨日(5月29日)がバーガー様のお誕生日であったことを、今年も失念しておりましたーーー!!!不覚!!!あうあうあう(/_;)
by 豆酢 (2007-05-30 22:31) 

Hiji-kata

初めまして  こんにちは  

「夫が何故殺されなければならなかったのか、
その事情にはあきれるばかり。ちょっと間抜け
というか、拍子抜け・・・・・」
この部分に激しく同感しました(^^)
この映画で最も目立つ欠点だったですね。
by Hiji-kata (2007-05-31 14:45) 

ミカエラ

■豆酢さん、こんにちは(^^)

>>この作品大好きです。ジャンヌ・モローの代表作のひとつですよね
↑豆酢さんはモローの大ファンでいらっしゃるのですよね、
色々と検索途中にオカピーさんのブログで偶然豆酢さんのコメント発見、
拝読しましたよ~。
私は『危険な関係』が一番好きなんですけれど、
彼女は冷淡な悪女を演じるのがいいですよね(*^^*)でもなぜか憎めないんだな。
ということで、この映画と同じくピエール・カルダンが衣装を担当し、
悪女を演じた『エヴァの匂い』を次にぜひ見てみたいです。
豆酢さんお気に入りのジョゼフ・ロージー監督ですしね♪

>>仇との関わり方も興味深いものでした
↑そうそう、順調に全ての復讐が終わるのか、と思った矢先に、
犯人に対して少し心が揺れたりしたようにも見えた場面もあったりして、ハラハラさせられました。

>>不覚!!!あうあうあう(/_;)
↑あはは(^▽^) 豆酢さん可愛い~~!ちょっとTOMCATさん入ってて(笑)
バーガー様は今年で63歳ですね、お母さまもご健在だそうですよ。
これからも幸せで居てほしいと心から思います。
by ミカエラ (2007-05-31 16:05) 

ミカエラ

■Hiji-kataさん、はじめまして、こんにちは(^^)
ご訪問ありがとうございます~。

>>この映画で最も目立つ欠点だったですね。
↑そうですよね~(;^^)
殺されてしまったジュリーの恋人は、きっと手ひどい裏切りにあったに違いない!
…と勝手にワクワクしていた(←冷酷人間)ので、
あの事情には唖然としてしまいました。
…あの状況はちょっと不自然でもありますよね(笑)
あのような場合、彼らのうちの“一人”だけに復讐すればいいとも思いましたけれど、隠匿の罪はやはり許されざる行為ですよね。
by ミカエラ (2007-05-31 16:05) 

SUKIPIO

お久し振りに、お邪魔させて頂きました。
ジャンヌ・モロー(ジュリー)と、そっくりの肖像画を、改めて見させて貰いますと、カトリーヌ・スパークにも、よく似ていますね。
結婚式で新郎を殺された新婦が5人の男を殺す動機が、確かに映画では弱いとは思います。
「黒衣の花嫁」は、1960年代半ばに映画化を企画されたのですが、原作は、1940年に発表されたコーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の長編で、(新郎が殺された原因と結末が違う様です。)1944年のパリ解放後のトリュフォー12歳ぐらいの時、母親が持っていた、この小説の仏訳版をこっそり借りて、読んでいたそうです。

当時、愛読していました「スクリーン」にジャンヌ・モローも、よく載せられていましたので、学生でした私は姉に連れてもらい、リアルタイムで、この作品を大変期待して観た記憶があります。
それなりに満足していたのですが、今では、かなり以前の事であった為か、おおよその物語の筋と、僅かなシーンのみで、何故か大きく印象に残っていないのです。
ジャンヌ・モローを映像で見られた事で満足していたのかも知れませんね。あの時代のヨーロッパの文化、そして映画が好きで、その中でも懐かしく、小さく覚えていられたのも事実ですよ。
by SUKIPIO (2007-06-03 07:38) 

ミカエラ

■SUKIPIOさん、こんにちは(^^)
お久しぶりですね! 遊びに来て下さってありがとうございます。

>>カトリーヌ・スパークにも、よく似ていますね。
↑なるほど、そうえいばモローに少し似ているかも知れませんね。
でもスパークのほうがもうちょっとソフトな印象でしょうか。
彼女が出演の映画は観たことがないのですが(;^^)、
ロジェ・バディム監督の『輪舞』にご出演なのですね~。
バディム監督といえば、モローを始め、ブリジット・バルドーとか、
アネット・ヴァディムとか、『花のようなエレ』のグウェン・ウェルズとか、
いつも素晴らしい美女を起用なさいましたよね♪

>>、(新郎が殺された原因と結末が違う様です。)
↑そうでしたか… 結末は、まあ、私はあれでよいとしても、
壮絶な復讐に心が駆りたてられるには、原因(動機)が仰るとおり、
やはりやや説得力に欠けると思いました(;^^)
12歳のときに原作を読んだときには、原因云々よりも、
きっと美貌のヒロインが次々に男たちに近づき復讐してゆくという姿が、
鮮烈にトリュフォー少年の心に焼きついたのでしょうね。
男性を半ば誘惑しつつ、けれど決して媚びたところのないヒロインの姿勢が、
同じ女性としては(笑) 好感が持てました(*^^*)
by ミカエラ (2007-06-04 16:01) 

YaCoHa

こんにちは。
内容はさておき(?)、印象的なパッケージデザインですね!古い映画はあまり興味が無かったのですが、記事とこのデザインを拝見して、ちょっと、観たくなりました。
by YaCoHa (2007-06-09 21:28) 

ミカエラ

■Yakohaさん、こんにちは♪

>>印象的なパッケージデザインですね!
↑芸術的!と言いたくなる素敵なデザインですよね(^^)
最近は、場面をつぎはぎしただけのレイアウトを施した、
どうも味気が無いパッケージのものが多いように思います。

>>古い映画はあまり興味が無かったのですが、
↑私も、例えばヌ~ベルバ~グなおフランス映画などは難解なので、
あまり観なかったりしますが、これはストーリーがハッキリしていて
面白かったですよ~。
DVDは残念ながら発売されていないのですが、
TVで放送された際にはぜひご覧になってみて下さい(^o^)
by ミカエラ (2007-06-10 17:04) 

YaCoHa

お返事ありがとうございました。
DVD、無いんですねー・・・残念(泣;)
by YaCoHa (2007-06-11 11:57) 

ミカエラ

■Yakohaさん、こんにちは(^^)

>>DVD、無いんですねー・・・残念(泣;)
↑そうなんですよ~(´д`)
トリュフォー監督作品は、沢山DVDが発売されてますし、
これもとても秀作だと思うので、発売された形跡さえもないというのにはどうも納得がいかないですね。
でもビデオ化はされたことがあったようですから、
レンタル店にはかろうじて置いてある可能性もありますね(^^)
by ミカエラ (2007-06-11 18:16) 

SUKIPIO

ミカエラさん、こんにちわ。

この作品は、トリュフォー作品の中では、あまり絶賛されていない様なのですが、確かに殺人への動機は、一捻りほしいものはありますが、当時の私には、映像に写る、ジャンヌ・モロー、そして、かなり以前観たのですが、トリュフォー作品の意図とは別に、ある意味フランスの都会派映画の様にも、今は記憶致しております。
ミカエラさんの美しい解説も素晴らしく、思い出しながら拝読させて頂きました。

ご迷惑でしょうが、T・Bさせて頂きました。
by SUKIPIO (2007-06-23 12:31) 

ミカエラ

■SUKIPIOさん、こんにちは(^^)
TBありがとうございます~! と申し上げたいところですが、
どうやらTBされてないようなのですが…あれれ?(;^^)
まあとにかく、SUKIPIOさんもこの映画ご覧になられたのですね。
SUKIPIOさんのレビューは含蓄のある解説付きで、いつもお勉強させていただいております。
後ほどお伺いしますね☆

>>ある意味フランスの都会派映画の様にも、今は記憶致しております。
↑なるほど(@。@) ファッションだけでなく、プロットもスタイリッシュで洗練されていて、ダラダラしたところなくて垢抜けている観がありますよね。
モローといえば(強引w)、先日『エヴァの匂い』という映画を観ました。
こちらでも、モローは非常に謎めいた、
男を破滅に追いやるファム・ファタールという役どころでしたが、
彼女は、知的なところと小柄なためか可愛らしさとのバランスがとれていて魅力的だと思います♪
by ミカエラ (2007-06-25 14:24) 

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